最近話題になっている「ジャイアントキリング(giant-killing)」って英語なの?
今回のカタールで開催されているサッカーW杯では、格下のチームが強豪チームを下すといった、番狂わせが起こっていますよね。
そして、日本がドイツに勝利したときには、「ジャイアントキリング」という言葉を多く見かけました。
この「ジャイアントキリング」という表現、いかにも英語っぽく聞こえますが、実際に英語で使えると思いますか??
今回は「ジャイアントキリング」は英語で伝わるのか?それとも和製英語なのか?などについてお届けします。
そもそも「ジャイアントキリング」とは?
「ジャイアントキリング」という言葉は、2007年ごろに発売された日本のサッカー漫画から見かけるようになったと言われていて、2019年のラグビーW杯でも使われていました。
「ジャイアントキリング」の意味は、
圧倒的な実力差のある格下の選手(またはチーム)が、格上の相手に勝つこと
きっと勝てないだろうと思われていたチームが、はるかに強い相手(giant)に勝った(kill)ときに使われます。
日本語だと、「番狂わせ」や「大金星」などに相当しますね。
まさに、先日のカタールW杯で日本がドイツに勝ったことで、メディアが一斉に「ジャイアントキリングだァァア!!と報じたわけです。
「ジャイアントキリング」って英語なの?
「ジャイアントキリング」は英語で書くと、
giant-killing
こうなります。
“giant-killing” の発音
“giant-killing” を英英辞典で調べると、
used to describe a sports player or team that defeats a much stronger opponent, or an occasion when this happens
Cambridge Dictionary
「自分たちよりも強い相手を倒すスポーツ選手(またはチーム)を説明するとき、またはそれが起こるとき」と書かれてあります。
まさに、日本語の「ジャイアントキリング」と同じような意味ですね。
なので、日本語の「ジャイアントキリング」は和製英語ではなく、英語であると言えます。
とはいえ、日本のメディアが「ジャイアントキリング」と報じていたように海外で “giaint-killing” が使われていたかというと、実はそうでもなかったりするんです。
「ジャイアントキリング」の意味で使われるネイティブ英語は?
ちょっと意外かもしれませんが、「ジャイアントキリング」の意味でネイティブが使う英語フレーズは他にあります。
「ジャイアントキリング(giant-killing)」よりも使われるのは、
upset
この表現ですね。
“upset” の発音
“upset” は心配、悲しみ、怒りなど、いろいろな感情が混ざっている感覚があり、日本語ではひと言では表現しにくい言葉。
動詞では「動揺する」や「うろたえる」、名詞では「気の動転」といった意味が近いとされています。
「ひっくり返る」や「(調子を)乱される」といったイメージですね。
ビックリするようなニュースを聞かされて、ドギマギしたり、気持ちに乱れが生じているときに、 “I’m upset” や “He/She is upset” のように使われます。
なので、「ジャイアントキリング」が起こった場面での “upset” は、「番狂わせ」や「〜を番狂わせで破る」といった意味となります。
「ジャイアントキリング」の英語表現の使い方
では、「ジャイアントキリング」を意味する “upset” の使い方を例文で見ていきましょう。
Japan beats Germany in World Cup upset.
日本がワールドカップでドイツに大金星をあげる。
Japan got 2 goals to upset Germany in World Cup.
ワールドカップで日本がドイツに2点取ってジャイアントキリングした。
Argentina’s loss to Saudi Arabia was the most stunning upset ever.
アルゼンチンがサウジアラビアに敗れたのは最も衝撃的な番狂わせだった。
There are already three upset wins and Asian and African teams have turned into giant slayers in this World Cup.
今回のワールドカップではすでに3つのジャイアントキリングがあり、アジアやアフリカのチームが大物キラーとなっている。
その他の表現はいかがでしょうか?↓
「ジャイアントキリング」の英語表現 まとめ
upset
“upset” は心配、悲しみ、怒りなど、いろいろな感情が混ざっている感覚があり、日本語ではひと言では表現しにくい言葉。
動詞では「動揺する」や「うろたえる」、名詞では「気の動転」といった意味が近い。
「ジャイアントキリング」は和製英語ではないものの、 “giaint-killing” が英語でそこまで使われていない。