“come back・go back・get back” って「(家に) 帰る」って意味だけど、なにが違うの?
日本語で「(家に) 帰る・戻る」の英語表現はいくつか言い方があります。
- come back
- go back
- get back
- be back
この中だと “come back” は日本語でも「カムバック」として使われているので、馴染みがある人も多いかもしれません。
その他の表現については、英語学習者であれば知っている人も多いかもしれませんが、意味やニュアンスの違いについては意外と理解できていない人も多いように感じます。
ちょっとした違いですが、相手に伝わる印象やニュアンスが変わってくるので、本記事がすこしでも参考になればと思います。
「戻ってくる」の come back
「帰る・戻る」の意味として使われる “come back” に含まれるニュアンスは、
(自分がいる場所、生活拠点に)戻ってくる、帰ってくる
“come” は「来る」という意味の動詞。
“come here” という表現がありますが、「こっちに来て」と誰かが話し手の方に来てほしいときに使われる言い方。
“back” は「戻って」という意味の副詞なので、 “come back” で「戻って来る」という意味になります。
つまり、『話し手のいる場所に(話し手を含む誰かが)戻る』ときに使われる表現なんですね。
親が子どもに「ほら、行くよ!」と言うと、子どもたちが “I’m coming” 「今いくよ」と言っている場面があります。
これは話し手である子どもが親の方に向かって行くことから “go” ではなく “come” が使われているんですね。
I moved to Australia last year and came back to Japan this June.
昨年オーストラリアに住んで、今年の6月に日本に戻ってきた。
A: What time are you coming back home?
A: 何時に家に帰って来るの?
B: It’ll take another 20 mins or so.
B: あと20分ぐらいかかるかな。
「戻っていく」の go back
“go back” に含まれるニュアンスは、
(自分が現在いる場所とは違う場所に)向かう、戻っていく
“go” は先ほどの “come” と違って「行く」という意味の動詞。
“go there” は「あそこに行って」と話し手が相手にどこか指定した場所に行ってほしいときに使う表現なので、今と違う場所に行くときに “go” は使われます。
また、話し手・聞き手の2人が現時点で海外に住んでいる状態で、その2人のうちどちらか1人が日本に帰国をすることになった場合には “go back” を使います。
“He/She is going back to Japan” のように言います。
つまり、『話し手が今いる場所と別の場所(元々いた場所も含む)に行く』ときに使われる表現なんですね。
It’s time to go back to work.
仕事に戻る時間だ。
She’s going back to her home country.
彼女は母国に帰国する予定だ。
A: What are you going to do on New Year’s Eve? I would go traveling around Australia while we are here.
A: 年末年始の予定は?俺らがオーストラリアにいるこの間に自分は旅して回ろうと思っているよ。
B: I’m planning to go back to Japan during that time to see my parents and grandparents.
B: 私はその時期は両親や祖父母に会いに戻ろうと思っているんだよね。
どちらの状況でも使える get back
ここまで “come back” と “go back” のそれぞれのニュアンスを見てきましたが、この2つの表現は『話し手のいる場所を意識して使う』必要がありました。
“get back” は『話し手のいる場所』を気にせず使える便利な表現。
「到着した時点」を強調したいときにも使えるんです。
また、 “get back” は基本的に “come back” や “go back” に置き換えて使えますが、例外もあります。
さらに、 “get back” は “return” という単語に置き換えも可能ですよ。
“get back to 人” で「人に (折り返し) 連絡する」という意味やニュアンスがあります。
ビジネスの場面で使うこともでき、「報告する」といった意味としても使えるので、覚えておいて損はないでしょう。
Well, lunchtime is over. So, I have to get back to the classroom.
あぁ、昼休みも終わりか。教室に戻らないとな。
A: I bought a new sofa, but it has to be assembled by myself. I need your help.
A: ソファ買ったんだけど、自分で組み立てなきゃいけなんだよ。力貸してほしいな。
B: Let me help you when I get back, okay?
B: 帰ったら手伝うから、いいね?
A: Got it! Thanks!
A: わかった。ありがとう。
I’ll get back to you as soon as I can.
できるだけ早めに折り返し連絡をします。
主語を強調する be back
“be back” は “get back” と同様に「帰る・戻る」の意味でニュアンスも同じと考えていいのですが、『主語』を強調する表現となります。
俳優で元カリフォルニア州知事のシュワルツェネッガーが主演した映画「ターミネーター」に出てくる “I’ll be back” は 主語の “I” が強調されているわけです。
また、”come back” と “be back” には感覚的にこんな違いがあります。
- I’ll be back soon:時間の間隔が短かったり、距離も遠くないとき
- I’ll come back soon:まだ少し時間がかかる、ちょっと離れたとことから戻るとき
たとえば海外や出張から帰ってくると言いたいときは、ある程度戻ってくるまで時間がかかることから “I’ll come back soon” の方が自然な表現となる。
I’ll be back in 10 mins.
10分以内に戻ります。
A: How’s being back home?
A: 家に帰ってどう?
B: Great! I can relax at home with my family.
B: とても良いよ!家族と一緒でリラックスできるし。
A: I’m glad you settle in. Keep in touch, okay?
A: 落ち着いたようでよかった。連絡取り合おうね。
come back・go back・get back・be back の英語表現 まとめ
- come back
(自分がいる場所、生活拠点に)戻ってくる
『話し手のいる場所に(話し手を含む誰かが)戻る』ときに使われる表現。
- go back
(自分がいる場所とは違う場所に)向かう、戻っていく
『話し手が今いる場所と別の場所(元々いた場所も含む)に行く』ときに使われる表現。
- get back
『話し手のいる場所』を気にせず使える便利な表現。
基本的に “come back” や “go back” や “return” に置き換え可能(例外あり)
- be back
『主語』を強調する表現。
“come back” と “be back” には感覚的にこんな違いがある。
- I’ll be back soon:時間の間隔が短かったり、距離も遠くないとき
- I’ll come back soon:まだ少し時間がかかる、ちょっと離れたとことから戻るとき