「どういたしまして」は英語で “You’re welcome” じゃないの?
外国人から “Thank you” とお礼を言われたとき、どんな返答をしますか?
日本語で「どういたしまして」を表す “You’re welcome” という表現を学校で習ったという人も多いかもしれません。
ですが、実際にネイティブの会話では “You’re welcome” よりも他の表現の方がよく使われます。
- That’s okay / That’s alright
- Anytime
- No problem
- Yeah / Uh huh
- Don’t mention it
- It’s my pleasure
- You’re very welcome
ということで今回は、 “You’re welcome” に変わるネイティブ表現と使い方をお届けします。
That’s okay / That’s alright
まずは一番シンプルなのが、 “That’s okay” という表現。
“That’s okay” にはこんな意味があります。
- 大丈夫
- いいよ
“Thank you” の返答としても使えるカジュアルな表現で使われるので、一般的にビジネス表現としてはあまり適してはいないですが、相手との信頼関係があれば使うことができます。
“That’s okay” の代わりに “That’s alright” もあります。
僕の経験上、オーストラリア人はこの “That’s alright” を使う人が多く感じます。
使う人や国によっても多少違いがありますけどね。
“That’s okay” は柔らかく断るときの「結構です」と言いたいときにも使える表現。「それはいいや」などと日本語で断るときの感覚に似ています。
A: Thank you for helping me!
A: 手伝ってくれてありがとう!
B: That’s okay.
B: 大丈夫だよ。
A: Oh I’m sorry! I stepped on your foot.
A: あ、ごめん!足踏んじゃった。
B: That’s okay.
B: 大丈夫だよ。
Anytime
次に、 “That’s okay” と同じくらいよく使われるのが “Anytime” です。
“Anytime” の意味は、
- 気にしないで
- いつでも
“Anytime” は直訳だと「いつでも・どんなときも」という意味なので、何かをしてあげたときの相手からの感謝やお礼に対して「お安い御用ですよ」というニュアンスがあります。
“Thank you” の返答としてだけではなく、何か聞かれたときに「いつでもいいよ」と言いたいにも使えます。
A: Thank you for your help!
A: 助けてくれてありがとう!
B: Anytime.
B: 気にしないで。
A: When can I call you?
A: いつ電話していいですか?
B: Anytime.
B: いつでもいいですよ。
No problem
“Thank you” と言われたときに “No problem” と答える方法もあります。
“No problem” の意味は、
問題ないよ
この表現は、「自分にとって問題になるようなことじゃない」といった、大したことないよというニュアンスがあります。
ただし、この表現は場面によって相手をイラっとさせてしまう場合があります。
たとえば、飲食店で食事を運んでいって、そこでお客さんから “Thank you” と言われた返答として “No problem” と答えると失礼になることがあります。
人によっては「してやった」感に思うようです。
こういった場合は、後述するビジネスでも使える返答を使うのが無難です。
A: Thank you!
A: ありがとう!
B: No problem.
B: 気にしないで。
A: Thank you so much. I really appreciate it.
A: ありがとうございます。感謝しています。
B: No problem.
B: 問題ないよ。
Yeah / Uh huh
他にも簡単な言い方で “Yeah” や “Uh huh” もあります。
これらの意味は、
- うん
- いいよ
たとえば “Thank you” と言われて、日本語で「うん」や「ああ」と答えるような感じです。
この表現はカジュアルなので、友人や家族など使える相手が限られますが、ビジネスの場面で使うにはカジュアルすぎて、相手に失礼に思われてしまいます。
なにか簡単なことを手伝ったり、やったことに対して相手からのお礼や感謝に対してサラッと答えるフレーズなので、相手の感謝の度合いが大きい場合に使うと、やや冷たい印象を与えてしまうかもしれません。
言い方や声のトーンにもよりますね。
A: Can you pass me the document?
A: その書類取ってくれない?
B: Sure.
B: 了解。
A: Thanks!
A: ありがとう!
B: Yeah.
B: うん。
Don’t mention it
意外に使うのが “Don’t mention it”
(わざわざお礼は)言わなくていいよ
お礼なんて言わなくても気持ちは伝わっているから、わざわざ言わなくていいよという意味が込められています。
昔の日本人が使っていた「礼はいらぬ」みたいなイメージかな。
これもカジュアルな言い方なので、ビジネスシーンなどで使うのはあまり適切ではありません。
A: Thank you!
A: ありがとう!
B: Don’t mention it.
B: いいよ、礼なんて。
A: Thank you so much. It means a lot to me.
A: ありがとうございます。私にとってはとても意味のあることです。
B: Don’t mention it.
B: いえいえ、礼なんて。
It’s my pleasure
ビジネスなど丁寧な表現を使いたいときは “It’s my pleasure” が一般的です。
“It’s my pleasure” の意味は、
どういたしまして
直訳すると「それは私の喜びです」となるので、相手のためになることは自分にとっても嬉しいこと、というニュアンスが込められています。
似ている表現で “It is pleasure to meet you” という表現があります。これは「お会いできて光栄です」という意味ですが、やはりここでも “pleasure” が使われています。
A: Thank you very much for your time.
A: お時間をいただきありがとうございました。
B: It’s my pleasure. Hope we can discuss it next time soon.
B: どういたしまして。次回近いうちにまた話しましょう。
A: Thank you for joining us at this video conference.
A: ビデオ会議にご参加いただきありがとうございます。
B: It’s my pleasure. I’m glad to discuss it with you in person.
B: こちらこそ。直接お話しする機会があってよかったです。
You’re very welcome
他にも、ビジネスで使いたいときは “You’re very welcome” もあります。
この表現の意味は、
どういたしまして
“You’re welcome” は本記事の題材でもありますが、直訳すると「あなたは歓迎されている」となり「あなたは歓迎されているので礼には及びません」という意味になります。
この表現に “very” をつけることで、ビジネスなどのシーンで使えるようになります。
“You’re welcome” は友人や知り合いなどにも使える表現ですが、 “You’re very welcome” はかなり硬い表現なので、ビジネスの場面の方が適しています。
さらに最上級として “You’re most welcome” という言い方もあります。
A: Thank you so much.
A: ありがとうございます。
B: You’re very welcome.
B: どういたしまして。
A: Thank you for coming on such short notice.
A: 急にお呼び出ししてしまったのにも関わらず、来ていただきありがとうございます。
B: You’re very welcome. What happened to you?
B: いえいえ、とんでもない。何がありましたか?
「どういたしまして」の英語表現 まとめ
- That’s okay / That’s alright
- 大丈夫
- いいよ
- Anytime
- 気にしないで
- いつでも
- No problem
問題ないよ
- Yeah / Uh huh
- うん
- いいよ
- Don’t mention it
(わざわざお礼は)言わなくていいよ
- It’s my pleasure
どういたしまして
- You’re very welcome
どういたしまして