“hope” と “wish” ってどう違うの?
「明日、晴れだったらいいのに」
「試験に合格するといいな」
「お金持ちだったらよかったのに」
このように、願望・希望・期待を表すときに、日本語で「〜だったらいいな」や「〜だったらよかったのに」と言ったりしますよね。
こういった場面では、英語で “hope” や “wish” が使われます。
が、この2つの単語には含まれるニュアンスが違うため、ネイティブは状況に応じて使い分けています。
今回は、「〜だったらいいな」や「〜だったらよかったのに」と言いたいときに使う “hope” や “wish” のニュアンス、使い分ける上で覚えておきたい違いについて解説していきます。
「可能性のある」 hope
“hope” は、
(可能性のある願望に対して)〜だったらいいな
こういった意味があります。
“hope“ の発音
“hope” は、「希望」や「期待」といった意味がありますが、願望・期待が実現する可能性が十分にあるときに使われます。
「実現可能性がある」と言っても判断に困るかもしれませんが、基本的には可能性が少しでもあることについては、 “hope” が使えます。
たとえば、 “I hope to see you again soon.” で「また近いうちにお会いしたいですね」の意味になりますが、「きっとまた会えるはず」のニュアンスが含まれることになります。
仮に天気予報で雨が降ると言っていても、必ずしも予報が当たるとは限らず、晴れる可能性もゼロではないですよね?
そんなときに、 “hope” は使えます。
また、 “hope” のあとには、基本的に『現在形』または『未来形』で使われることがほとんど。
ですが、「何か気になる状況の行く末を見守る・心配する」といった場面では、『過去形』もごく稀に使われることがあります。
I hope you pass the test tomorrow.
明日のテストに合格するといいね。
I hope it’ll be good weather this weekend.
今週末はいい天気になるといいな。
I hope she got home safely last night.
昨夜、彼女は無事に家に帰れてるといいな。
A: Hey Emma, how are you doing? I just wanted to check up on you. I hope you are okay.
A: エマ、元気?どうしてるかなと思って。無事だといいけど。
B: I’ve been sick for a few days. I’m getting better though.
B: 数日前から体調を崩していたんだ。だいぶ良くなったけどね。
「可能性が低い・ゼロ」の wish
一方、 “wish” は
- (可能性が低い・ゼロの願望に対して)〜だったらよかったのに
- (可能性が低い・ゼロの願望に対して)〜だったらいいのに
このような意味になります。
“wish“ の発音
“wish” も “hope” と同様に、「希望」や「期待」といった意味がありますが、願望・期待が実現する可能性が低いとき、または不可能なときに使われます。
どちらかというと「〜だったらよかったのに(でも実際には違う)」といったときに使われる言い方で、「過去の話」をするときに使われることが多め。
とはいえ、「現在の話」または「未来の話」に対しても使うことがあるので、下記で使い方をまとめておきます。
過去の話をする場合
過去に起きたこと、過去の出来事を振り返って「〜だったらよかったのに」と言うときは、
I wish I had + 動詞の過去分詞
“I wish” のあとに、 “I had + 過去分詞形” が来るパターンです。
「過去が〇〇だったら」の話ですが、「過去形」ではなく『過去完了形』が使われていることに気をつけましょう。
すでに過去に起きたことで変えることはできないので、「過去完了形」になっているんです。
I wish I had studied English harder when I was kid.
子供の頃、もっと英語を勉強しておけばよかったと思う。
It was really fun having a party yesterday. I wish you could have been there.
昨日のパーティーは本当に楽しかった。あなたがそこにいたらよかったのに。
現在・現時点の話をする場合
現在、または現時点で「〜だったらよかったのに」と言うときは、
I wish I + 動詞の過去形
または
I wish I was/were + 動詞の過去形
ちょっと紛らわしいですが、「現在・現時点の話」をする場合は、動詞の『過去形』を使います。
これは、「現実に〇〇だったらなぁ」という仮定の話をしていて、「過去に△△だったら、現実はきっと違っていたんだろうな」というニュアンスがあります。
つまり、「過去に△△だったら〜」の部分に焦点を当ててる言い方なので、動詞の『過去形』が使われています。
また、仮定法のときは “I wish I were” のように、”I/he/she/it” が主語のときは “were” を使うルールがありますが、実際の会話では “was” が使われることもよくあります。
I wish I had a lot of money.
お金がもっとあったらな。
I wish it weren’t super hot now.
暑すぎなければいいのにな。
未来の話をする場合
I wish I would + 動詞の現在形
または
I wish I could + 動詞の現在形
そして、「未来の話」をする場合は、助動詞の “will” や “can” の過去形 “would” や “could” を使い、動詞は『現在形』を使っています。
いわゆる仮定法の “would” や “could” の使い方ですね。
日本語だと「(きっと無理だと思うけど)〜だったらいいな」という、淡い期待・願望を抱いているときに使うイメージです。
I wish he could stop smoking.
彼がタバコをやめてくれたらいいけど。
I wish it could be Christmas everyday.
毎日がクリスマスだったらいいのに。
その他の表現はいかがでしょうか?↓
hope と wish の英語表現 まとめ
- hope
(可能性のある願望に対して)〜だったらいいな
願望・期待が実現する可能性が十分にあるときに使われる。
- wish
- (可能性が低い・ゼロの願望に対して)〜だったらよかったのに
- (可能性が低い・ゼロの願望に対して)〜だったらいいのに
願望・期待が実現する可能性が低いとき、または不可能なときに使われる。
過去の話をするときに使われることが多いが、「過去・現在・未来」の話の内容によって、英語フレーズのパターンが違う。(記事内参照)