“get away from” と “get away with” の違いってあるの?
“I’m getting away from it”
“I’m getting away with it”
この2つは、見た目はほぼ同じ文章。
違いといえば “from” と “with” の部分だけですが、この違いだけで2つの文章の意味はガラッと変わります。
このように、前置詞が違うだけで意味が変わる英語フレーズが出てきた場合、どんな場面で使われるのか、どんなニュアンスやイメージがあるのかを掴んでおくのがオススメです。
本記事で “get away from ~” と “get away with ~” 意味やニュアンスの違いをしっかりと押さえておきましょう。
get away の持っている意味やニュアンス
“get away from ~” と “get away with ~” の違いを説明する前に、まずは “get away” の持っているフレーズの意味やニュアンスについて掴んでおきます。
“get away” は「離れる」という意味があり、基本的には行動を表すときに使われます。
“stay away” という似た表現がありますが、こちらは「離れている」という意味があり、状態を表すときに使われます。
また、”away” のコアイメージは「(視界から)離れる」なので、 “get away” で「視界から離れて(何かを)獲得する」というニュアンスもあります。
では、次項から “get away from ~” と “get away with ~” の違いについて見ていきます。
get away from ~ の意味
“get away from ~ “ は、
(人や物事から)逃げる、離れる
こんな意味があります。
“get away from ~ “ は直訳すると「〜から逃げる」です。
危害や痛み、不快な感情を引き起こしている人、物事から意識的に逃げたり、立ち去るときに使われます。
“get away” は「視界から離れて(何かを)獲得する」というニュアンス。なので、 “get away from ~ “ は上記のような身の危険がある状況から離れて、身の安全を得ると解釈できます。
また、休暇を取るときに、今の生活から抜け出すというニュアンスで “get away” を使うこともあります。 “get away from it all” で「そのすべてから逃げる = 日常から抜け出して休暇を取る」といった意味になります。
“vacation” の代わりに “get” + “away” で “getaway” と言ったりもしますね。
get away from ~ の使い方
では、 “get away from ~” の使い方について見ていきましょう。
I’ll get away from work as soon as I can.
できるだけ早く仕事を終えます。
It’s hard to get away from the news these days.
最近はニュースから逃れることは難しい。
A: Let’s go somewhere to get away from the stress of Tokyo.
A: 東京のストレス社会から逃れてどこか行こう!
B: How about going to Iriomote Island.
B: 西表島に行くのはどう?
A: That sounds great! I’ve never been there before, so I’m so excited about it.
A: めっちゃいいね!今まで行ったことないから、めっちゃ楽しみ。
get away with ~ の意味
“get away with ~ “ は、
(罪や罰、批判から)免れる、逃れる
こんな意味があります。
“get away with ~ “ は直訳すると「〜と一緒に逃げる」です。
何か間違ったことをした後の罪や罰、批判から免れる、逃れるときに使われます。
先述しましたが “get away” は「視界から離れて(何かを)獲得する」というニュアンスがあります。
“get away with ~ “ は、悪いこと、間違ったことへの罪や批判と自分が一緒になって世間からうまく免れる、逃げると解釈できるでしょう。
罪・批判などの「物事」と、自分という「人物」をそれぞれ1つの存在として考えること自体、日本語だと違和感があるかもしれません。ただ、こう考えておくと “with” が使われるイメージがしやすいのでオススメです。
“get away with ~ ” が使われている決まり文句の英語フレーズもあります。
get away with (blue) murder
直訳すると「殺人をして逃れる」です。本来であれば逃げきれない事柄にも関わらず逃げている、という状況から転じて、「何でも許される」や「好き放題にする」といった意味で使われる
“blue murder” という表現がなんとなく独特ですが、 “blue” はあってもなくてもどちらでもOKです。
一説によると、 “blue murder” は “bloody murder” がなまったものだと言われています!
get away with ~ の使い方
では、 “get away with ~” の使い方について見ていきましょう。
You can’t get away with it!
あなたはこのままじゃ済まされない!(=ただじゃ済まないぞ!)
The guy robbed banks but he couldn’t keep getting away with it.
この男は銀行を襲ったが、逃げ続けることはできなかった。
A: Did you know that he got away with cheating on the test.
A: 彼がテストでカンニングしたのに罰を逃れたって知ってた?
B: Seriously!? Is it even possible though?
B: マジで!?そんなことってあるの?
They are so spoiled. Their parents let them get away with (blue) murder.
彼らはとても甘やかされている。親が好き放題にさせている。
get away from と get away with の英語表現の違い まとめ
- get away from ~
(人や物事から)逃げる、離れる
危害や痛み、不快な感情を引き起こしている人、物事から意識的に逃げたり、立ち去るときに使われる。
- get away with ~
(罰や批判から)免れる、逃れる
何か間違ったことをした後の罪や罰、批判から免れる、逃れるときに使われます。
“I’m getting away from it” (それから逃げる)
“I’m getting away with it” (処罰から免れる)