“nothing” も “short” もネガティブな意味だけど、どういう意味?
先日、自民党の総裁選が行われ、次期総裁として菅さんが選出されました。
この総裁選について、英語で書かれたある記事を読んでいたら、こんな文章がありました。
Nothing short of force majeure will prevent Yoshihide Suga from becoming Japan’s prime minister when the ruling Liberal Democratic party (LDP) elects a leader to replace Shinzo Abe this week.
The Guardian
難しく、わかりずらい文章ですね。
文章のはじめに “Nothing short of ~” とあり、文頭からインパクトがあります。
ただ、”nothing” と “short” がどちらもネガティブな意味を持つ単語が隣り合わせになっているので、全体の意味がわかりにくくなっています。
と、いうことで今回は、意味が掴みにくい “nothing short of~” の意味やニュアンスの理解、使い方を見ていきます。
“nothing short of~” の意味
“nothing short of ~” の日本語の意味は、
- 〜の他にない
- 〜以外のものは何ひとつない
- 〜しかない
別の英単語に置き換えてみると、“only” 「〜だけ」が一番近いと思います。
先ほど冒頭で出した文章を参考に “nothing short of ~” が使われている箇所を改めて確認してみます。
Nothing short of force majeure will prevent Yoshihide Suga from becoming Japan’s prime minister when the ruling Liberal Democratic party (LDP) elects a leader to replace Shinzo Abe this week.
The Guardian
force majeure (フォース・マジュール) … 不可抗力
“nothing ~” と “short of ~” に分けて考えて見ましょう。
- nothing ~:(なにも)〜ない
- short of ~ :〜がない、〜が少ない、不足している
どちらも「〜ない」の意味となり、組み合わせることで二重否定になっています。
要するに “nothing short of~” は「〜が少ないということがない」、逆に言えば「〜だけ」という意味になります。
“nothing short of ~” を考える上での裏技
これを言ってしまうと元も子もないという感じなのですが、 “nothing short of ~” は二重否定なので、“nothing short of” 自体を取っ払ってしまうという考え方もアリ。
結果的には “~” 以降の文章の理解する内容は同じになります。
“nothing short of~” の使い方
では、例文を見ていきましょう。
It was nothing short of perfect.
それは成功に他ならない。
My success is nothing short of a miracle.
(先ほどの裏技を使った場合→My success is a miracle.)
私の成功は奇跡でしかない。
Nothing short of money satisfies her.
お金以外に彼女を満足させることはない。
Nothing short of winning makes him happy.
勝利以外に彼はうれしくない。
nothing short of ~ まとめ
- nothing short of ~
- 〜の他にない
- 〜以外のものは何ひとつない
- 〜しかない
わかりやすく別の英単語に置き換えてみると、“only” 「〜だけ」が一番近い。
※ “nothing short of ~” は二重否定のため、“nothing short of” 自体を取っ払ってしまう考え方もアリ。