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“struggle with~” と “struggle to ~” ってどう使い分けるの?
“I struggle with English.”
“I struggle to speak English.”
このように ”struggle” の後ろに “with” や “to” を組み合わせて使うことがよくあります。
この2つのフレーズ、うまく使い分けられますか?
もし自信がなければ、この機会に “struggle with~” と “struggle to ~” の意味と使い方をしっかりと押さえておきましょう。
struggle の意味は?
“struggle” には以下の意味があります。
- 苦労する
- 奮闘する
- もがく
“struggle” の発音
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発音はカタカナで表記すると「ストゥラゴゥ」みたいな感じです。
「苦労する」「もがく」といっても「短時間の軽い困難」ではなく、 “struggle” には長期間にわたって努力しながら苦労する・もがく というニュアンスがあります。
「ある困難と戦いながら、それを克服しようとする」「もがきながら、何とかしようとする」といった意味合いで使うイメージです。
“struggle” は動詞だけでなく、名詞として使うこともあります。
- 苦闘
- もがき
- 闘争、戦い
どちらかというと、期間の長い「戦い」「苦悩」といったイメージですね。
では、”struggle” の意味を押さえていただいたところで、次は “struggle with~” と “struggle to ~” の意味と使い分け方について見ていきましょう。
struggle with + 名詞 :「何に」苦労している
“struggle with” には、
(〜に)苦労している
こんな意味があります。
“struggle with“ の発音
“struggle with” というフレーズを使う場合、その後ろには必ず『名詞』がきます。
言い換えると、「こと・もの」などの「苦労の原因・対象」です。
ニュアンスとしては、「〜をするのが難しい」や「〜によって困難な状況に直面している」といった感じ。
She struggles with anxiety.
彼女は不安に苦しんでいる。
この場合、「彼女(she)」が「不安(anxiety)」によって、ある程度の期間苦しんでいることを指してます。
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具体的な期間は特に触れられてないのでわかりませんが、数日というよりは、数週間、数ヶ月といったニュアンスですね。
ちなみに、以下は間違いです。
- She is struggled with anxiety.
日本語から考えると「彼女は不安によって苦しめられている」と言えるので、 “be動詞 + 過去分詞” の『受動態』を使いたくなりますよね。
ですが、 “struggle” は『自動詞』なので、そもそも受動態にはできないんです。(『他動詞』なら受動態にできる)
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“struggle” は「~によって苦しめられる」ではなく、「自分がもがく・苦しむ」という意味なので受動態にしないってことなんです!
I struggle with time management.
私は時間管理に(いつも)苦労している。
He struggles with quitting smoking and has been going back and forth for the past four months.
彼は禁煙に苦労している。ここ4か月間、吸ったりやめたりを繰り返している。
A: Why does John look so stressed?
A: なんでジョンはそんなにストレスを感じてるの?
B: He’s struggling with his new job. It’s a lot harder than he expected.
B: 新しい仕事で苦労してるんだよ。思っていたよりずっと大変なんだ。
A: I struggle with speaking in public.
A: 私は人前で話すのが苦手なんだ。
B: You should practice more. It gets easier over time.
B: もっと練習するといいよ。時間が経てば楽になるよ。
A: How’s your new diet going?
A: 新しいダイエットはどう?
B: Honestly, I’m struggling with it. I miss eating sweets.
B: 正直、苦戦してるよ。甘いものが恋しいよ。
struggle to + 動詞 :「何をしようとして」苦労している
“struggle to~” は、
(〜をしようとして)苦労している
こんな意味があります。
“struggle to” の発音
“struggle to” というフレーズを使う場合、その後ろには『動詞』がきます。
この動詞に入るのは、「苦労している行動」です。
ニュアンスとしては、「何かをするのが難しくて苦労する」や「努力してなんとかやろうとする」といった感じ。
She struggles to express her feelings.
彼女は自分の気持ちを表現するのに苦労している。
この場合、「彼女(she)」が苦労しているのは「彼女自身の気持ちを表現すること(to express her feelings)」ということになります。
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to 以降の内容に “struggle” しているということですね。
I struggle to wake up early.
私は朝早く起きるのが苦手だ。
He is struggling to quit smoking. He has been smoking on and off for the past 4 months.
彼は禁煙に苦労している。ここ4か月間、吸ったりやめたりを繰り返している。
A: I really struggle to stay focused during online meetings.
A: オンライン会議中に集中し続けるのが本当に大変なんだ。
B: Yeah, I get that. It’s easy to get distracted.
B: わかるよ。気が散りやすいよね。
A: Why is Sarah so quiet today?
A: サラ、今日すごく静かじゃない?
B: She’s struggling to deal with some personal issues.
B: 個人的な問題に対処するのに苦労してるみたい。
A: Can you help me with this math problem? I’m really struggling to solve it.
A: この数学の問題を手伝ってくれる?解くのにすごく苦労してるんだ。
B: Sure! Let’s figure it out together.
B: もちろん!一緒に考えよう。
使い方によって同じ意味になったり、違う場合がある
ここまで見ていただくと、 “struggle with~” と “struggle to ~” はちょっとした違いがあるのが分かったかと思います。
ですが、話の内容によってはこの2つのフレーズがほぼ同じ意味になることもあります。
struggle with ~ と struggle to ~ が同じ意味になる場合
たとえば、
I struggle with English.
英語に苦労している。
I struggle to speak English.
英語を話すのに苦労している。
上記の文章は、いずれも「英語に苦手意識がある」という意味ではほぼ同じです。
なので、この場合はどちらのフレーズを使っても相手に伝わる内容は同じです。
struggle with ~ と struggle to ~ の意味が変わる場合
今度は、 “struggle with~” と “struggle to ~” の意味が異なるパターンです。
He struggles with depression.
彼はうつ病に苦しんでいる。
この文では、現時点で「うつ病によって苦しめられている様子」が伝わってきます。
He struggles to overcome depression.
彼はうつ病を克服するのに苦労している。
一方、こちらは「うつ病を克服しようと努力している状況ではあるものの、なかなか症状が改善しない」といったニュアンスがあります。
このように並べてみると、苦労している対象が「うつ病そのもの」なのか、「うつ病を克服すること」なのかで微妙に違っているのがわかると思います。
“struggle to ~” の場合は、後ろにくる『動詞』以降の内容に話の焦点が当たる、ということを押さえておきましょう!
こんな他の表現はいかがでしょうか?↓
struggle with~ と struggle to ~ の英語表現 まとめ
- struggle with + 名詞
(〜に)苦労している
“struggle with” の場合、後ろには必ず『名詞』。
言い換えると、「こと・もの」などの「苦労の原因・対象」。
- struggle to + 動詞
(〜をしようとして)苦労している
“struggle to” の場合、後ろは『動詞』。
動詞に入るのは、「苦労している行動」。