“banana”って果物の「バナナ」って意味じゃないの?
“banana” は知ってのとおり果物の「バナナ」です。
ですが、おもしろいことに “banana” の英語表現はそれだけではありません。
日本語でも「バナナ」は男性器を指す隠語として使われることはありますが、今回の英語表現は隠語ではなく、一般的に日常会話で使われるカジュアル表現やスラング表現になります。
bananas の意味
“banana” は冒頭でも触れましたが、一般的には果物の「バナナ」を意味します。
ですが、複数形の “bananas“ になると「バナナ」の意味の他にこんな意味があります。
- とても馬鹿な
- とても愚かな
- 気の狂った
これらはカジュアルな場面で使われるスラング表現です。
You’re going out even though it’s snowing heavily? You must be bananas.
こんな大雪なのに出かけるの?あんた気が狂ってるな。
go bananas
“go bananas” にはこんな意味があります。
- 頭がおかしくなる
- 気が狂う
先ほどの “bananas” 単体の意味に近いですね。「イライラする」といったニュアンスがあります。
“to drive someone bananas” という表現があり「(人の)気を狂わせる」という意味で “go bananas” と同じような意味で使われます。
She thinks I’m going bananas, but I’m not.
彼女は私が頭がおかしくなったと思っているが、そうじゃない。
Omg, if I deal with all of this work, I’m gonna go bananas.
まずい、すべての仕事に対応していたら気が狂ってしまうよ。
top banana
“top bananas” はこんな意味があります。
- 主役
- ボス
- 最重要人物
主にアメリカで使われるスラング表現で、グループや団体・組織の中でもっとも重要な人物のことを指します。
では、なぜ「バナナ」がこういった意味で使われるのでしょうか?
英英辞典にはこのように書かれています。
from a burlesque routine involving three comedians in which the one that gets the punch line also gets a banana
Merriam-Webster
バーレスク(踊りや寸劇を組み合わせた大衆演劇)に出ている3人のコメディアンが punch line(オチ)をつける1人がバナナをもらえることから由来している、とあります。
当初はコメディアンに対して使われていましたが、今では違う分野でも幅広く使われるようになったんですね。
That guy is the top banana in the drug-dealing group.
あの男が麻薬取引グループのボスだ。
People in their community think that the guy is the top banana.
あのコミュニティにいる人たちはあの男が最重要人物だと思っている。
second banana
“second banana” はこんな意味があります。
- 従属的な人
- 脇役
さきほどの “top banana” と比べて、 “second banana” は「従属的な人」といった意味があることから、協力し合う仲間を意味する “sidekick” が使われることがあります。
【関連記事】英語で “sidekick” は「相棒・相方」の意味?
I didn’t realize that Robin was Batman’s second banana.
ロビンがバットマンの脇役なの知らなかった。
Hell no! I don’t want to be a second banana. I want to be the top banana.
絶対に嫌だ!脇役になんかなりたくない。主役でいたい。
banana republic
“banana republic” は「バナナ共和国」と呼ばれる、貧しくて衰えているような小さな国のことを指す言い方。
もっとシンプルに言えば、こんな意味で使えます。
貧しい発展途上国
中南米など、バナナ農園などの第一産業が主力で、国としての力が弱くて政情が不安定な国のことですね。
「バナナリパブリック」というブランドのことではないですよ!
People are worried about being a banana republic in their country.
人々は自分たちの国が貧しく立ち行かない国になることを危惧している。
banana oil
“banana oil” は直訳すると「バナナの油」
でも、実はまったく違う意味で使います。
- 不真面目な話
- ナンセンスな話
このような意味のスラング表現なんですね。
ただ、この表現は最近ではあまり使われていないことも多いのが現状。
会話の中で使うと古い言い方として扱われることがあるので、知識として知っておいたり、ジョークっぽく言う感じでとどめておくのが良さそうです。
He poured banana oil into her ear telling her good things to lure her heart.
彼は彼女の心をつかむために良いこと言うという適当なことをした。
banana は果物の「バナナ」の意味だけじゃない まとめ
- bananas
“banana” は「バナナ」を意味するが、複数形の “bananas” になると他にこんな意味がある。
- とても馬鹿な
- とても愚かな
- 気の狂った
- go bananas
“bananas” 単体の意味に近い。「イライラさせる」といったニュアンス。
- 頭がおかしくなる
- 気が狂う
- top banana
主にアメリカで使われるスラング表現で、グループや団体・組織の中でもっとも重要な人物のこと。
- 主役
- ボス
- 最重要人物
- second banana
“second banana” は「従属的な人」といった意味があることから、協力し合う仲間を意味する “sidekick” が使われることがある。
- 従属的な人
- 脇役
- banana republic
「バナナ共和国」と呼ばれる、バナナ農園などの第一産業が主力で、国としての力が弱くて政情が不安定な国のこと。シンプルに言うと以下の意味。
貧しい発展途上国
- banana oil
「バナナの油」の意味ではない、スラング表現。
- 不真面目な話
- ナンセンスな話