「ど忘れする」や「うっかり忘れる」ってなんて言ったらいいんだろ?
「えっと…なんだっけ?うわーっ、ど忘れした!」
「電話する約束してたのに、うっかり忘れてた。ごめんッ!」
こんな風に、少し前までは覚えていたはずなのに、ふと忘れてしまった経験って誰にでもありますよね?
「忘れる」は “forget” なので、過去形を使って “I forgot!” と英語で言えなくもないですが、ただ「忘れた」というよりも、「ど忘れする」の感覚に近い英語表現があるんです。
今回は、「ど忘れする」や「うっかり忘れる」のニュアンスで使える英語フレーズを3つ紹介します。
it slips my mind
「ど忘れする」や「うっかり忘れる」 は、
it slips my mind
こんな表現があります。
“it slips my mind” の発音
“mind” は「心」や「頭脳(頭の中)」といった意味があります。
“it slips my mind” は直訳すると、「私の頭からそれが滑り落ちる」となります。
「それ」の “it” は、ここでは「忘れてしまったこと」を指しています。
「あることが私の頭の中から抜け落ちてしまった」というニュアンスで、 “It slipped my mind” のように過去形で使うことがほとんど。
「自分」主体ではなく、「もの・こと」が主体となった文章になっていますね。
“It slipped my mind” を使うときは、
It completely/totally slipped my mind
“completely” や “totally” などの「完全に」や「すっかり」といった意味の単語を入れて、「ど忘れ」したことを強調して使うこともよくあります。
I’m sorry, it completely slipped my mind.
すみません、完全に忘れてました。
I like one of the main characters on that show. What is her name…? Ahh, it completely slipped my mind!
あの番組の主人公の1人が好きなんだよね。 彼女の名前は…ああっ、ど忘れした!
A: Where were you last night? We were supposed to meet at the party.
A: 昨夜はどこにいたのですか?パーティーで会う予定だったじゃん。
B: Oh, I’m so sorry. It totally slipped my mind.
B: ああ!ごめん。すっかり忘れてた。
my mind go blank
他にも、
my mind go blank
これも、「ど忘れする」や「うっかり忘れる」の意味で使えます。
“my mind go blank” の発音
“my mind go blank” の直訳は「私の頭の中は空っぽになる」という意味。「頭の中が真っ白になる」ようなイメージですね。
先ほどの “it slips my mind” に比べて、こちらの英語フレーズは「頭の中に何もない」状態を表していますね!
いずれにしも、「ど忘れする」や「うっかり忘れる」の意味で使えるのは同じです。
“my mind go blank” は、
my mind went blank
または
my mind has gone blank
このパターンで使われることが多くあります。
My mind has gone blank. It doesn’t come up anything at the moment.
頭の中が真っ白になって。今のところ何も出てこないよ。
I had worked so hard to get prepared the presentation, but my mind went blank in front of clients.
せっかくプレゼンの準備をしたのに、お客様の前で頭が真っ白になってしまった。
completely forget
実は、 “forget” を使って
completely forget
これも使えます。
“completely forget” の発音
冒頭で軽く触れましたが、 “forget” を使って「忘れる」を言い表すことはできます。
ですが、 “completely” のように「完全に」という強調の言葉を加えることで、 “I completely forgot” で「完全に忘れてた = すっかり忘れてた」の意味合いになるんです。
“totally forget” にしてもOK!
日本語の「ど忘れ」には、「(いつもは覚えてることだが、ある瞬間だけ)ふと忘れる」ような意味合いもあるので、 “I completely forget” とは、若干ニュアンスが違うような気もしますよね・・・。
ですが、不思議なことに、ネイティブは「ど忘れ」のときに限って、 “completely forgot” のように “completely” をむしろ入れて使う傾向にあります。
「ど忘れしてしまうほど、記憶にない = 完全に忘れた状態」という感覚なのかもしれませんね。
I completely forgot about what it said.
なんて書いてあったか、すっかり忘れてしまった。
A: Have you already finished your assignment?
A: もう課題は終わったの?
B: S…Shoot! I completely forgot that the deadline is tomorrow. What am I gonna do?
B: し、しまった!締め切りが明日なのをすっかり忘れてた。どうしよう。
「ど忘れする」や「うっかり忘れる」の意味と使い方3つ まとめ
- it slips my mind
下記のように使うと、より「ど忘れ」のニュアンスが強くなる。
It completely/totally slipped my mind
- my mind go blank
基本的には、過去形または現在完了形のパターンで使われる。
my mind went blank
または
my mind has gone blank
- completely forget
不思議なことに、ネイティブは「ど忘れ」したときに限って、 “completely forgot” のように “completely” を使う傾向にある。