「よく言われます」は “say” や “tell” を使わないで表現できるの?
こんな事を言われた経験はないですか?
- 笑顔が素敵ですね!
- 年の割にすごく若く見えるね!
- 〇〇に似てますね!
そんなときに「よく言われます」と返答したことがあるかもしれません。
これを英語で表現しようとすると、日本語の「言う」から “say” や “tell” を使おうとする傾向がありますが、ネイティブはあまり使わないんです。
今回は、英語で「よく言われます」のネイティブがよく使う定番表現をご紹介します。
不自然な「よく言われます」の英語表現
「よく言われます」は「人が〇〇とよく言う」なので、 “say” を使って
People often say that ~
または、 “tell” を使って受動態にして
I’m told that ~
と考える方が多いかもしれません。
ですが、英語ネイティブは “say” や “tell” を使って自分について言及することをあまりしません。
なので、「よく言われます」の意味で使うこれらのフレーズはネイティブにとって不自然に感じ、日常会話ではほとんど使われません。
では、 “say” や “tell” を使わずに「よく言われます」を英語でどう表現すればいいのでしょうか。
ネイティブが使う「よく言われます」は英語で?
「よく言われます」に相当する英語フレーズは、
I get that a lot
“I get that a lot” の発音
“I get that a lot” は「私はそれをよく受け取る」といった感じで、「それ(that)」は「周りの人たちが(自分について)〇〇と言うこと」を表します。
“that” は「文章の全体」を指して「それ」という意味で使うので、 “it” にならないのがポイント。
“I get it” は理解したときの「わかった」を意味するフレーズですね。
アメリカ人セレブとして有名な「パリス・ヒルトン」さんが出演したTV番組の企画(?)で “I get that a lot” が出てきます。
あの「パリス・ヒルトン」によく似てるよね?と言われ、「よく言われます」と返答しています。
英語の「よく言われます」の使い方
では、「よく言われます」の英語表現を例文で見ていきます。
Everyone says I look like my mom. I get that a lot.
みんな私が母に似ていると言うんです。それをよく言われます。
People always think I’m good at math because I’m Asian. I get that a lot.
私がアジア人だから数学が得意だといつも思われる。よく言われます。
A: You look like George Clooney.
A: あなた、ジョージ・クルーニーに似ていますね。
B: Yeah, I don’t think I do, but I get that a lot.
B: ええ、自分ではそう思ってないですが、よくそう言われます。
You’re 42 years old? I thought you were in your mid-twenties.
えっ、42歳なんですか?20代半ばだと思っていました。
B: I get that all the time. I get my ID checked everywhere I go.
よくそう言われます。どこへ行っても必ず身分証明書を確認されます。
A: Are you a native speaker? Because your English is so good!
A: ネイティブですか?英語がとても上手なので。
B: Actually, I’m not. I get that a lot though.
B: 実は違うんです。でも、それよく言われます。
A: You want to move to the countryside and settle down? You seem like the kind of guy that loves big cities.
A: 田舎に引っ越して落ち着きたいの?大都会が好きそうに見えるんだけど。
B: Yeah I know, I get that all the time. But I’ve always wanted to live on an island and live a simple life.
B: うん、いつも言われるんだよね。でも、昔から島で質素な生活を送りたいと思ってるんだ。
英語では「よく言われます」は謙虚さよりも素直さ
「よく言われます」という表現には、日本語特有の「みんながそう言う」という謙虚さが含まれています。
しかし、英語では褒め言葉に対して、シンプルに感謝・素直さを示すのが一般的です。
たとえば、「そんなことないです」や「大したことないです」といった日本語の謙遜表現は、英語では逆効果になることがあります。
相手の褒め言葉を否定することで、意図を尊重していないと感じさせることがあります。
なので、「よく言われます」はシンプルに “Thank you” と感謝を示したり、”I get that a lot.” のようなフレーズで軽く受け流すのが自然です。
このように、言語と文化には密接な関わりがあり、
- 日本語:「周りがどう思うか」を重視
- 英語:「自分がどう見られているか」が重要
こういった傾向があります。
「言われる」を直訳して “I’m told that ~” といった表現は間違いではありません。
が、フォーマルで受け身的すぎる印象があり、相手に少し距離を感じさせるかもしれません。
自己評価や個人の感想を述べるときには、もう少しカジュアルで自分に焦点を当てた表現が好まれます。
「よく言われます」の英語表現 まとめ
I get that a lot
“I get that a lot” は「私はそれをよく受け取る」といった感じで、「それ(that)」は「周りの人たちが(自分について)〇〇と言うこと」。
“that” は「文章の全体」を指して「それ」という意味で、 “it” にならないのがポイント。
日本語の「よく言われます」は謙遜表現だが、英語はシンプルに感謝・素直さを示すのが一般的。